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20話 初めての優しさと秘密の笑み

ผู้เขียน: みみっく
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2026-01-06 06:00:02

 ミユは、容姿は可愛らしいものの、ユウヤが言うように物事をはっきりと言ってしまう性格だった。そのせいで周りからは近寄りがたいと言われることが多かった。中学校の頃、勇気を出して好きになった人に告白したが、「お前、顔は可愛いけど……性格がな。一緒にいて疲れそうだし無理かな」と言われて以来、ミユはさらに周りの人との間に壁を作り、距離を置いていた。そんなこともあり、彼女が困っていても、手を差し伸べてくれる人はほとんどいなかった。

 そんな過去を思い返しているうちに、ユウヤにおごってもらったジュースを両手で持ち、ミユはふと思った。そういえば、異性の人におごってもらうのなんて、初めてかもしれない。そう思うと、胸の奥から温かいものがこみ上げてきて、自然と笑みがこぼれた。

「ん? 今度はなんだよ……急に嬉しそうに微笑んだりして」

 ユウヤの言葉に、ミユは慌てて笑顔を隠した。だが、その表情は、先ほどまでのむすっとしたものではなく、輝いていた。

「秘密です!」

 そう言って、ミユはユウヤに背を向けた。その言葉に、ユウヤは少し驚いたように眉をひそめた。

「あーそう、まあ……機嫌悪そうにしてるより良いけどな」

 ユウヤはそう言って、再び歩き出した。ミユは、その背中を追いかけながら、心の中で、ユウヤに感謝していた。

(ユウヤくんは、わたしの性格を知らないから優しくしてくれるのかな。それでも、初めてわたしのこと助けてくれたし、こうして一緒にいてくれる……)

 ジュースを持つミユの両手に、ふっと力がこもる。その冷たさが、今の彼女の熱い気持ちを少しだけ落ち着かせた。ミユの歩調は、ユウヤの背中を決して見失わないように、しっかりと彼の後を追った。

 コンビニから十分ほど歩くと、ユウヤの家に着いた。外観は古く、ユウヤが言った通りボロアパートだったが、中に入ると、思ったよりも部屋は片付いていた。以前、ミナの荷物を片付けつつ、自分の物もついでに整理したため、部屋はすっきりとしていた。

 今更ながら、わたしは気づいた。男の部屋に入る機会などほとんどなく、二人きりになる状況なんて、これまでの人生であり得なかった。心臓がドキドキと高鳴り、緊張と恥ずかしさで、わたしの顔はみるみるうちに赤くなる。色々な想像が頭の中を駆け巡り、胸の鼓動はさらに速くなった。

「さ、入ってくれ……まあ、言った通り狭くてボロアパートだけどさ。外よりは暖かいだろ?」

 ユウヤに案内され、わたしは部屋に一歩足を踏み入れた。部屋の空気は、ほのかにユウヤの匂いが香っている。その匂いは、わたしの心を包み込み、胸をキュンとさせた。こんな風に胸が高鳴る感覚は、中学校のあの時以来だ。わたしは、自分が完全にユウヤに恋をしていることに気づいた。

 (ああ、わたし、ユウヤくんのことが、こんなに好きなんだ……)

 わたしは、両手に持ったジュースの冷たさで、高鳴る鼓動をなんとか抑えようとした。ユウヤは、そんなわたしの様子に気づかず、すぐに部屋の隅に積まれた段ボールの山に目をやった。

「悪かったな。まだ片付けきれてないものがあってさ。適当に座っててくれ」

 ユウヤは、そう言って、部屋の中央にある小さなテーブルとソファーをわたしに勧めた。わたしは、そのソファーに座ることに、またしても緊張を覚えた。ユウヤが普段座っている場所なのだろう。わたしは、ゆっくりとソファーに腰を下ろした。柔らかな布地から、微かにユウヤの体温が感じられる気がして、わたしの頬はさらに熱くなった。

 ミユは、男の部屋というだけで緊張していたが、ユウヤがミユの様子を察してか、冗談を交えながら話し始めると、自然と肩の力が抜けていった。

「お前さ、疲れてる時はため息つくくせに、機嫌が良いと急に笑い出すんだな。分かりやすくて面白いわ」

 ユウヤの言葉に、ミユは思わず吹き出してしまった。自分が感情を顔に出していることに気づき、少し恥ずかしくなったが、ユウヤの優しさが嬉しかった。

「もう……バカにしないでくださいよ。そういうユウくんだって……職場でため息ばっかりだったじゃないですかぁー」

 ミユがそう言い返すと、ユウヤは楽しそうに笑った。その笑顔に、ミユの心臓は高鳴る。これまでのミユは、異性を避けて、心を閉ざして生きてきた。こんな風に、異性と話すこと自体が初めてで、ましてや、こんなにも楽しく感じるなんて、思いもしなかった。

(ああ、この時間がずっと続けばいいのに……)

 ミユは、時間の流れを惜しむように、ユウヤとの会話を楽しんだ。ソファーの柔らかな感触と、ユウヤの笑い声が、ミユの心を優しく満たしていく。部屋の片隅に置かれた小さなテーブルの上には、ミユがコンビニで買ったジュースが置かれている。さっきまでの不安や緊張は、すっかりユウヤの笑顔にかき消されていた。

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